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職人の世界のこと

木の命

木の心を知るには

土を知れ

 

日本を代表する宮大工に、「西岡常一」という人物がいます。

法隆寺昭和の大修理で、専属の宮大工として棟梁を務めた彼は、その他にも明王院五重塔、薬師寺金色堂など、数々の再建工事を手がけ、現代日本に大きな影響を与え、偉業を残したのち、1995年、享年86歳でこの世を去りました。

1908-1995 宮大工 西岡常一

冒頭で書かせていただいたのは、常一さんが、ご自身の著書、「木に学べ」の中で何度も何度も繰り返し書かれた言葉です。

 

木の命

木の心を知るには

土を知れ

 

ものごとを知ろうとするとき、目には見えない、その元となる、本質の部分を学びなさい。

そうすることで、自ずと上澄の部分を理解することができる。

どうやらこの世のすべての事柄というのはそのようにできている、と。

「手仕事」のことを知るには、「道具」のことを知りなさい。「道具」のことを知るには、「鉄」のこと、それを手入れする「石」のことを知りなさい。

「表現」のことを知るには、「心」のことを知りなさい。「心」のことを知るには、それがそこに在る「世界」のことを知りなさい。

杢美の製作、倉谷建築の仕事に携わらせてもらう中、日々、学ぶことを積み重ねています。

道具のこと、技術のこと、木のこと…。

倉谷建築の作業場に立ち並ぶ道具たち

 

その一つ一つが、自分自身の手となり、力となり、存在そのものとなって、今後の、「表現していく」ということの後押しとなっていると、事あるごとに実感しています。

遠い過去と遠い未来をつなぐ事が、若者たちが今を生きる意味の一つであるように、「受け取ること」、「学ぶとこ」そしてそれを「発していくこと」、それが、ものづくりに、今、携わる意味の一つであると感じながら、これからも製作を続けていくことでしょう。

保育園の子供たちが座る椅子を作成中

 

熊野の山々にそびえる木々を見上げたとき、

静かな波のように流れる檜の木目を目にしたとき、

ふと「杢美」のことを思い出していただければ、この上なく幸いです^_^

 

木の命

木の心を知るには

土を知れ

 

みなさまの日常が、ささやかな彩りであふれますことを心よりお祈りしています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

文 杢美 作業スタッフ 福井陽司

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